斉藤さんのお住まいは、景色の良いマンションの17階。リビングの窓から外を見渡せば、遮るもののない近隣の街並みや大きな航空公園が眼下に広がります。お子様が大きくなり、子育ての手が離れたこともあり、夜景を肴に夫婦でゆっくりとお酒でも酌み交わしたい。いずれ大学生の息子さんが独立することも視野に入れ、ご夫妻は今回のリフォームに着手されました。そこにはまた、若い頃に戻った気分でもう一度暮らしを楽しもうという思いも込められています。
リフォーム前の斉藤邸は、キッチン、リビング・ダイニング、和室がそれぞれ独立。キッチンからLDに向けて小さなのぞき窓的なつくりにはしていたものの、壁に囲まれ、調理中はひとりで作業しているイメージが強かったといいます。奥様のご要望を受けて、ニコニコ堂の浅香さんはキッチン、リビング・ダイニングと和室を一体化した開放感あるプランを提案。さらに、これまで廊下側の暗い部屋に置かれていた奥様のお仕事（ピアノ教師）の関係で使うグランドピアノと電子オルガン（エレクトーン）を、広々としたLDに移動しました。「以前は楽器がひと部屋を占領していましたが、今ではその部屋も居室として有効に使えるようになりました。広いリビングに移したことでグランドピアノが空間のアクセントに。窮屈な雰囲気がなくなりましたね」と奥様もにっこり。楽器と合わせて、膨大な量の楽譜やCDもLDKに引っ越しました。キッチンカウンターや出窓の下、壁面など随所に設けられた造作の収納スペースは、大容量を誇りながら見た目はすっきり。白を基調とした色使いもあってインテリアのひとつとして、ナチュラルに空間に馴染んでいます。
システムキッチンには、迷わずヤマハの「berry」を選びました。ピアノのダークなカラーと対比させて、明るく光沢のあるパールホワイトをパネルの色にホワイトシカモアの扉を組み合わせ、人造大理石のマーブルシンクはビビッドなマンゴーオレンジを採用。「このキッチンに立っていると、気分まで明るくなる」と新しいキッチンに奥様も満足のご様子です。デザイン性だけでなく、汚れにくくお手入れが簡単という点もお気に入りの理由のひとつ。IHクッキングヒーターやサイクロンフードと合わせ、シンクやカウンターも掃除がしやすく掃除にかける時間が格段に減ったといいます。
オープンカウンタータイプで動線が良く、家事の効率もアップ。そして何よりも、キッチンに立つ時間が孤独ではなくなりました。カウンターに座る家族と会話しながら調理できるのもこれまでにはないことでしたが、さらにうれしいことに、息子さんが進んで手伝ってくれるようになったそうです。時にはご主人もやってきて、親子3人で料理することもあるのだとか。以前は3人集まったら身動きできなかったキッチンが、今では余裕の広さ。リフォームした住まいは、家族の暮らしにも変化をもたらしました。

奥様がピアノの先生をなさっていることもあり、斉藤邸は来客が絶えません。ご友人を招いてホームパーティを開きたいというのも、リフォームの大きな目的でした。キッチンのワークトップは、たくさんの料理を並べても充分な大きさ。カウンターにお皿やお酒を並べれば、ゲストは自由にそれを受け取り思い思いの場所で寛ぐことができ、理想通りのパーティが、わが家で実現できるようになりました。「年末にパーティを開いたのですが、まるでホテル気分でした。お客様をお招きするのが楽しみになりましたね」と奥様。
昼は明るい光が大きな窓から射し込み、夜は眼下に広がる街の灯がリビングを優雅に演出する。光量をコントロールできる間接照明やダウンライトが、より一層ムードを盛り上げます。夫婦ふたりでしっとりと、家族3人で和やかに、お友達を招いてワイワイと。表情を変えながら、どんなシーンでも心地よく過ごせる空間が、ご夫妻の活動的な毎日を彩ります。