大きなワーキングカウンターを設けたキッチン。オートアップラック、ハンディシェルフを採用し、シンク上をすっきり
4人のお子さんが結婚し、お嬢さんや息子さんにお嫁さん、それぞれのお孫さんたちが毎日頻繁に出入りする中村邸。お孫さんたちは、毎日自宅よりも真っ先におじいさま・おばあさまの家に遊びにくる程の、とても仲良しで賑やかなご家庭です。
中村さんがリフォームを考えたのは、そんなご家族の暮らしに合わせて、「一段上がる形だった和室と LDKの段差をなくし、フラットにして、ハイハイの赤ちゃんものびのびできる空間つくりたい」と考えたから。天然の木材や珪藻土の壁を用いたリフォームが得意な会社に依頼する中で、キッチンを中心とした空間だけを以前から付き合いのあったニコニコ堂の山浦さんにお願いしました。というのも、リフォーム前のキッチンもニコニコ堂から納入したヤマハ製で、「備え付けの電子レンジや浄水器、食器洗い機は、6年前に部分リフォームで入れてまだ比較的新しいのでそのまま取り外して使えないか」と相談したところ、山浦さんは「できます」と快諾してくれたから。全体の空間とのバランスをとりながら、キッチンまわりのリフォームがスタートしました。
中村さんの奥様は、ご自分でパンを焼くのが日課。そんなお母さまの影響を受けて娘さんがパンづくり教室を開くほどの腕前の持ち主です。今回のリフォームでは、そんな料理上手な奥様のご要望を詳細におうかがいし、効率良く動くことができるプランを提案。パンづくりに毎日使っているパン捏ね機2台・発酵機・専用オーブンやパンの材料は、以前のキッチンにバラバラの場所に置かれていて、とても手間がかかっていましたが、今回は効率よく使えるように置き場所や収納を考えました。
まず、パン捏ね機2台は、大きなワーキングカウンターの下に、そのまま取り出して使えるスライド式の引き出し棚を設けて収納。発酵機やオーブンなどの熱を持つものは、カウンターのすぐ近くに換気装置を設置してその下にまとめて並べ、換気装置もキッチンの扉と同材の化粧扉をつけて一体化し、外から見えないような工夫がされました。パンの粉もカウンター下に収納。こうすることで、少ない動作で楽にパンを作ることができ、見た目もすっきりしました。
床や天井板に天然木を使ったナチュラルな雰囲気あふれる空間に自然になじむウッディな扉のキッチン。天窓から明るい陽射しが降り注ぐ
キッチンのナチュラルでウッディな框デザインの扉については、お嬢様のお宅で採用されていた柄が気に入っていたので、それに近いものを選んだところ、ご長男も含めみなさんで意見が一致し「それがいい」ということになったとのこと。人造大理石のマーブルシンクの色は、当初は「イエロー」のものを考えていましたが、ヤマハのショールームでご覧になって、こちらもみなさんで意見が一致して「ライムグリーン」に決めたそうです。「以前はまだこんなシンクはなかったのでステンレスでしたが、汚れが目だって気になっていました。『マーブルシンク』はカウンターと一体型なので、汚れがたまらず、お掃除もラク。常にきれいにしておくことができます」と奥様にも好評。またIHクッキングヒーターにするかガスレンジにするかギリギリまで悩んでいましたが、「大勢が集まるし、あぶら汚れとかが気になるから」と最終的に IHクッキングヒーターを選択。こちらもお掃除がラクで「大正解だった」とのことです。
キッチンに続くダイニングルームの収納棚とファックス台の扉は、キッチンと同材のものを使用。統一感をもたせることで、さらに広くがりを演出するとともに、たっぷりの収納で余計なものを外に出さず空間もきれいに保つことができます。
暗かったダイニングルームは、天井を上げて天窓を設けることで長い時間採光することができ、開放的な空間に。たくさんの光を取り込んだ明るくナチュラルな雰囲気の空間で、仲のいい家族が集まり、おいしい料理を楽しめる語らいの場ができました。
掘りごたつのある和室リビングからダイニング、キッチンまでひとつながりの空間。大家族が集まっても十分な広さ
ダイニングに設けた食器棚やファクス台の扉も、キッチンのものと同材を使用。専用オーブン上の換気部分にも同材の飾り扉を設置
リフォーム前とキッチンそのものの位置や大きさはそんなに変わっていないのに、発酵機や専用オーブンの置き場所や収納が目的別に考えられているので、とても使いやすく気に入っています。以前の家は嫁いだばかりで主人や父親でほとんど決めた形でしたが、今回は私の好みのキッチンができて、とても満足しています。
奥様の中村千代子さんとニコニコ堂の山浦雅恵さん(左)