自然素材を多用したナチュラルで落ち着いた空間の中で、マーブルシンクの「ライムグリーン」が鮮やかなポイントに
穂崎さんご夫婦がリフォームを考えたきっかけは、「トイレを広くするために水回りを動かしたい」といったシンプルなものでした。ところが、ご友人を通じて紹介された家づくり工房木楽で代表の大迫さんやインテリアコーディネーターの川井さんと相談を進めるうちに、「段差をなくしたい」「動線を良くしたい」「将来は1階で寝起きしたい」と構想はどんどん膨らみ、「定年退職後も夫婦が毎日を楽しく暮せる住まい」がテーマという、今回の大がかりなリフォームに至りました。
リフォームに際しては、動線を見つめ直して大きく間取りを変えました。まずは、2つあった和室を合わせてダイニング・キッチンとパソコンコーナーに変更。かつてダイニング・キッチンだった場所に設けたリビングとも大きな引き戸の開閉でつながりを持たせました。床にはパインの無垢材のフローリングを敷き詰め、家中の段差を解消してバリアフリーに。窓側に壁付けされていたキッチンの位置も大きく移動させ、奥様が当初から希望されていた、カウンターの大きなヤマハのオープンキッチンを導入しました。
プランニングを担当した家づくり工房木楽の大迫さんは、「将来にわたり健やかに暮して欲しい」と、自然素材の使用を提案。穂崎さんご夫婦も「今後、大きく手を加える必要がなく、自分たちで手入れができて、味わいが出る素材なら」と賛成されました。
飛騨家具も手掛ける家づくり工房木楽にとって、自然素材は得意分野。床にはパイン材、壁・天井は珪藻土を採用して、食器棚も飛騨家具のオーダー品にするなど、体に優しく自然の風合いあふれる空間を創り出しました。飛騨家具とパイン材とは色合いの相性も非常に良く、ダイニングに備え付けたテーブルも、素材感豊かな空間に見合う木製のものを選びました。
他にも、お手持ちのものを再利用して作ったパソコンコーナーのデスク、収納するものに合わせてオーダーしたTVボードなど、穂崎さんご夫婦のこだわりが随所に反映されています。
ちなみに、ご主人のお気に入りの場所は、横になってテレビが観られるリビングのソファ。「いちばんくつろげる部屋です」とのことです。
伸びやかな二間続きにしたリビングとダイニング・キッチン。無垢材のフローリングは冬でも裸足で過ごせるほど温かい
一方、奥様のお気に入りはやはり、システムキッチンです。以前から対面式のキッチンにしたいと考えておられた奥様は、広告でヤマハシステムキッチンの「ライムグリーン」のマーブルシンクをご覧になり、「あのグリーンがいい!」と一目惚れだったそうです。その後、ヤマハのショールームで実物をご覧になり、人造大理石のお手入れの簡単さや、曲線を採り入れたカウンターのデザイン、最新設備の機能などを知り、「即決」されました。
「初めて見た時は、何よりシンクに色があるということに驚きました。特にこの明るいグリーンがお気に入りです。お茶を飲みに来た友達が羨ましがって『どこの製品?』と訊くので、つい自慢してしまうんです」と、嬉しそうなご様子。さらに、火を使わないIHクッキングヒーターは、以前から歳をとったらぜひ導入したいと思われていたもので、「お掃除がラクな上、安心して使えますね」と使い勝手の良さにも納得されていました。
ご友人が多い穂先さん宅には、お宅を訪れるゲストも多く、リフォーム後はホームパーティやお茶会の機会も増え、コミュニケーションを育むオープンなダイニングキッチンが「ちょっとした集会所」のようになっているとか。ゲストの多い時は食器洗い乾燥機が大活躍しているそうです。
多くのご友人たちと時を過ごしながら、和気あいあいとした暮らしが続く健やかな住まいとなりました。
キッチンの食器棚は飛騨家具のオーダー品。補強を兼ねた大きな丸太の梁とあいまって、木ならではの温かみを醸し出す。壁・天井に調湿・脱臭効果のある珪藻土を使ったので、結露の悩みもペットの臭いもなくなった。
対面式のオープンキッチンなので、テーブルについたご主人とも会話を楽しみながらキッチンに立つことができる
思い切って間取りを変更して、動線を改善して大正解でした。当初は一部のリフォームを考えていましたが、ちょこちょこ改装しているだけでは使い勝手は良くならなかっことでしょう。リフォームは一時的なものだけでなく将来のことも考えてまとめて大胆に変更することで、良い結果が得られるのではないでしょうか。
写真左から穂崎征人さん、家づくり工房木楽の大迫隆司さん、穂崎千津子さん、家づくり工房木楽の川井和枝さん