何気ない日常が絵になる、クリーンで開放的な住まい

2017/03/27

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カシャカシャ、パチリ――。小気味いいシャッター音となごやかな笑い声が響く開放的な空間。ここは、家族や子どもの自然な表情を引き出すフォトグラファー・さいとうむつみさんのアトリエ兼ご自宅。白×木で統一したクリーンでナチュラルな空間は、どこを切り取っても絵になる佇まいです。

思わずシャッターを切りたくなる暮らしのシーン

東京で広告や雑誌を中心としたフリーのフォトグラファーとして活動していたむつみさん。ご主人の転勤に伴い、東京から、札幌、福岡へと移り住んできました。その間には妊娠、出産を経験。活動のペースを抑えつつも、仕事と子育てを両立する怒涛の日々だったと言います。

現在の地に根をおろし、家を建てたのは4年前。194pという長身のご主人がストレスフリーに暮らせることと、むつみさんが写真を撮りたくなる空間設計。かねてからの希望を叶えた住まいは、のびやかな吹き抜けと光をたっぷり取り込む窓、表情豊かな漆喰の白壁が印象的で、まるでリゾートホテルのような雰囲気を醸し出しています。

階段の一角には、むつみさんが写真の加工作業などを行うワークスペースを設置。あえて個室にしなかったのは、「家族との時間が最優先」という想いから。L字の壁でゆるやかに仕切っているだけなので、リビングにいる家族の様子がいつでも把握できます。

「ソファに座っている娘の姿や、窓辺に飾ったグリーン、朝食の風景――。何気ない日常の風景が愛おしく、思わずシャッターを切りたくなるんです」。
その言葉を表すように、むつみさんの作品には、見る人の気持ちをふんわりあたためてくれるようなやさしさが宿っています。

家族もゲストも居心地のいいインテリア

ハウススタジオを兼ねていることもあり、ふだんから無駄な物は置かず、飾り過ぎないように心がけているというむつみさん。特に生活感の出やすいダイニングやキッチンまわりは、ご主人と入念に相談し、家具や設備を厳選したそう。
「ダイニングは夫も私も好きなメンズライクなスタイルにまとめました。エイジング加工した木の天板に鋳鉄の脚を合わせたテーブルが特に気に入っています」。

キッチンはむつみさんの主導でセレクト。どうしても汚れがちな場所のため、掃除がしやすく、清潔感を保てることが第一条件だったそう。そのうえで、デザインと使い勝手のいい収納や構造に納得のいくものを探し、辿り着いたのが今のキッチンでした。

「使い始めて4年近く経ちますが、今だにきれいなまま保てているので、やっぱり選んでよかったと思っています。そして、導入してからあらためて感じているのは、インテリアとのなじみのよさ。我が家は面材を白でまとめて、シンクをキッチンの床に敷いたタイルに合わせてベージュにしたのですが、シンプルななかに主張しすぎない程度に個性をプラスできて、とても満足しています」。

どこを見渡しても開放感漂う住まいは、家族はもちろん、撮影に訪れるお客様にとってもリラックスできる居心地のいい空間になっています。
家族と過ごす時間と、大好きな写真と向き合う時間。その両方を理想の住まいで楽しみながら、今日もやさしい眼差しでファインダーをのぞくむつみさんです。

施工/智建ホーム(福岡県太宰府市)