3世代が暮らす広々LDKは、こだわりの足場板で作ったオリジナルのヴィンテージ空間

2017/07/27

3世代が暮らす広々LDKは、こだわりの足場板で作ったオリジナルのヴィンテージ空間

2年前に実家を建て替えた住まいに、ご夫婦と6歳の娘さん、奥様のご両親、お祖母様が同居するI様邸。居心地の良さや家事のしやすさを意識しながらも、大胆な素材使いで個性を発揮。住むほどに愛着が増す、オンリーワンの我が家が完成しました。

古材の味わいを生かした内装に

「かわいいよりもかっこよく」を意識したというI様ご夫婦。インテリアを印象づけるのは、LDK全体のフローリングに使用した古い足場板です。テレビ台など造作家具にも同じ素材を用い、ヴィンテージスタイルの空間に。一方、テレビ裏の壁はモルタル仕上げにし、「家全体に木の印象が強いのでアクセントに異素材を取り入れました」とご主人。

古材ならではのこなれた質感が魅力の足場板。「家づくりを進めているとき、たまたま入ったお店の床に使われていて、『これだ!』とひと目ぼれ。両親が私たちに家づくりを任せてくれたので、思い切って好きなスタイルを実現できました」と奥様。木材に記された数字やペンキ跡もそのまま生かしています。

家族で囲む大きなダイニングテーブルは、I様邸のために工務店が製作したオリジナル。味わいある木の天板に、アイアン金具の黒が相性ぴったり。玄関ホールにつながるリビングのドアも造作。目隠し効果のある筋入りガラスをはめ込みました。

キッチンカウンターを利用した飾り棚に、娘さんの好きな絵本やおもちゃをディスプレイ。ここにもペンキ跡のある古材を生かしました。「両親も『ほかにはない個性的な家ができてうれしい』とインテリアを気に入ってくれました。特に義父は日曜大工に凝りだして、新居をきっかけに家のことに目覚めたみたいです(笑)」とご主人。

毎日楽しく料理できるように

家族7人の食事を支えるキッチンは、リビングダイニングが見渡せる開放的な造り。ヴィンテージ調のインテリアと対比的に、キッチン本体はシンプルな白でまとめました。まわりはモザイクタイルで仕上げてかわいらしい雰囲気をプラス。

「朝は私と夫、娘、母の昼食用に、合わせて4人分のお弁当を作ります。毎日のことなので、調理が苦にならないよう広くて動きやすいキッチンを意識しました」。両脇をあけたアイランド式の配置で、あわただしい朝でも行き来しやすいように工夫。カウンターで手元が隠れるので、ストレスなく作業に集中できます。

家族の人数が多い分、鍋やフライパンも大きいため、洗い物がしやすい広いシンクは重宝しているそう。センサー式の水栓をつけたので、手が汚れていても水が出せて便利です。「1日の終わりに、生ゴミを残さないようシンクまわりを掃除するのが習慣。人造大理石製で傷つきにくいので、毎日こまめにゴシゴシ洗っています」。

背面に扉付きの造り付け収納を設け、すっきりしたキッチンをキープ。裏のパントリーも活用し、表に出しておくのは最低限の家電や調理道具にとどめています。「使う人が多く散らかりやすいからこそ、収納場所を決めて、ものが出しっぱなしにならないよう気をつけています」と奥様。

「それぞれ生活リズムや仕事があるので、家族が多いと言ってもしっかり顔を合わせるのは食事どきくらい。それでも、みんなで食卓を囲むとほっとしますね」。夕食時のキッチンを彩るのは、どこか懐かしい雰囲気を醸し出す白熱電球。あたたかな光が一家のひとときを包み込みます。

施工/富士ホームズデザイン(静岡県富士市)